『千年震災』感想
[内容]
巨大地震は繰り返す。これだけでは終わらない。来るべき首都直下地震、東海地震、南海地震に備えるため、NHKでおなじみ「津波と歴史地震学」研究の第一人者が「1000年に一度」の東日本大震災の被災現場を緊急調査。
[感想]
千年に一度の大地震だった3.11。
自分もNHKの中継でリアルタイムで押し寄せる津波の様子を見ていたのを思い出す。
その時に解説していたのが作者の都司先生だった。
歴史地震の記述は3.11で誇張でも捏造でもなく事実であり、これから起きるであろう災害に関する一級資料になりうると判明したわけで、どんな災害が起きてきたのか興味を持って読んだ。
災害はどれも違った一面を持ち個性のようなものがあるのが分かった。
九十九里を襲う高さは低いが猛烈に速い「射流」と呼ばれる津波や、各地を襲った烈震、大きな湖を作る土砂崩れの様子が文献から紐解けれている。
気になったのは下関市にある松尾神社と三恵寺に残る地震伝承だった。
泉が地震で埋もれ青龍が死に、のちにそこから温泉が湧き出すと言った伝説なのだが、つまり6世紀中頃に大地震があったと考えることができる。
下関市には「菊川断層」と呼ばれる断層がはしっている。政府の発表では危険度の高い31断層に選ばれたが、6世紀に動いてたとなるとそれがどう影響してくるのか。
活動が直近でほぼ0%になるのか、一部が動いただけで残りの部分の危険度がより高いのか。
気になるところだ。