超久しぶりのブログ記事を書いている。
前の記事が一年前だから不定期投稿すぎるな。
この一年、いい方に進んだりまた戻ったりと、あまり変わり映えのない毎日だったが、まあそれはおいといて、俺はずっと前から小説家になろうに自作の短編をいくつか投稿してきた。
一応SF(空想科学)というなろうではマイナージャンルで書いていたからもともとの閲覧数は少なかったが、ここ最近は特に少ない!
この間この「エスパー迷衣」を短編集に投稿したが、そのときのPVがたったの2!
投稿時間がまずかったのかと比較的人がいるらしい朝の7時に投稿してもPVは6だった。
他の作者の同ジャンルもだいたいそんな感じのPVだったから、基本的にはみんなこんな感じなのだろう。とはいえPV2ってのは少ない。なんか人が少なくなってきているって噂も聞く上に、投稿数は増加して、最近ではAIの執筆も増えて、飽和状態になっていると聞く。
そこで、試しにブログの方で短編を投稿したらどうなるか試してみようと思い立った。なろうと違って一つの記事ごとに閲覧数が分かる仕組みではないが、たまには別媒体で出すのもありだろう。
ということで、実験的に記事を作った。
オリジナル短編をどうぞ。
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「エスパー迷衣」
「私、透視ができるようになったんだよね」
夏の暑い日に家を訪ねてきた友人の月ヶ瀬迷衣が突然どや顔で言い出したので、俺は彼女の頭を心配した。
「熱中症にでもかかったか?」
「さてはルフくん信じてないね?」
「もちろん。何がどうしてそういう結論になったのかサッパリわからん」
「まあ騙されたと思ってちょっと見て行ってよ」
月ヶ瀬は居間のテーブル横に座り、なにやらトランプのカードのようなものを並べ始めた。トランプっぽく見えるのは裏の紺色で形作られた模様だが、カード自体は正方形の形をしており、どうやら違うようだ。
「それ何?」
「ゼナーカード」
「ゼナーカード?」
「これはね、超能力者の研究に使われた歴史ある道具でね、表にあるマークは5種類。カードを裏返しにして、表のマークを言い当てられたら透視能力があると判断される」
彼女はためしに俺にゼナーカードのマークを当ててみろと言ってきた。
「ええっと、じゃあこれは十字のマークかな?」
月ヶ瀬がゼナーカードを裏返す。星型だ。続いて、俺はいくつかあてずっぽうで言ってみたが、どれも外れだった。
「さて、今度は私の番だね」
「こんなの分かるわけないだろ」
「そんなに言うなら、何か賭けてみない?」
「いいとも。何にする?」
「そうだねえ。冷蔵庫にあるアイスとかで」
「よし、そうしよう。透視できたらアイスを食べてもいいぜ」
そうして俺と月ヶ瀬はテーブルに向かい合い、
「ルフくん、適当にカードを選んで裏返しにしてよ」
俺は言われたとおりにした。机の上に一枚のカードが裏返しに置かれている。
月ヶ瀬はじっとカードを見つめ、目を細めたりいろんな角度から眺めていたが、ややあって、
「なるほど、これは波型のマークだと思うな」
「そう簡単に当たるわけないって」
俺はカードを裏返した。マークは波型。あれ? 合ってる・・。
つづいて、俺は別のカードを裏返して置いた。
「これは丸型だね」
裏返す。大きな丸がそこには書かれてあった。
マジか? どうして分かったんだろう。俺はゼナーカードをしげしげと眺めた。特徴的な傷とかがついているのかと思ったが、どうやらそういったものはないようだ。
さらに、俺は月ヶ瀬に何回かテストを行ったが全部的中だった。
信じられないが、これは確立の域を超えている。
「なんてこった。これはいったいどういうことなんだ?」
「じゃあ約束通りアイスをもらうね」
月ヶ瀬は立ち上がり冷蔵庫の中からカップアイスを取り出し、台所からスプーンを拝借して目の前でおいしそうに食べ始めた。
俺はどこかにトリックがあるのではないかとカードを確かめていたが、何もおかしなところはない。もしやこれは本当に超能力なのか?
俺は興奮して友人のふぁん太にLINEを送った。
<月ヶ瀬が透視能力に目覚めたかもしれない>
すぐに既読がついて返事が来た。
<今家で暇だから俺もルフの家行くわ>
そうして15分ほど後、俺がトリック暴きにやっきになっているところにインターホンが鳴った。
「誰か来たよ」
月ヶ瀬がアイスをスプーンで口にほおばりながら言う。。
「ふぁん太だろ。さっき月ヶ瀬の透視のことを教えたら自分も見に来るって言ってたからな」
「ふぁん太くん? ああ、そうなの」
なんだか月ヶ瀬が視線を泳がせて、うろたえているような気がするが、とりあえず俺はふぁん太を迎え入れた。なぜかふぁん太はサングラスをかけていた。
「どうしたんだサングラスなんかかけて」
「ちょっとな。で、マヨちゃんがいるんだってな」
「そうなんだよ。マジで超能力に目覚めたのかもしれなくてさ」
居間にいた月ヶ瀬がふぁん太を見ると、おどおどと視線をそらした。
なんかさっきから挙動不審だ。
「実はさ、俺も透視できるようになったんだわ」
「ふぁん太もか?」
「ああ、今からやってやるからじっくり見てな」
ふぁん太は月ヶ瀬の隣に座り、ゼナーカードを俺に渡して裏返しにするように促した。
俺はゼナーカードをシャッフルしてランダムに選んだものを裏返して机に置いた。
「なるほど、見える見えるぞ!」
ふぁん太は大げさに手を広げてみせると、
「これは星型だな」
俺はゼナーカードを裏返す。それは星型のマークだった。
「偶然じゃないのか? 続いてこれはどうだ?」
続いてゼナーカードを置く。
「これは四角だ」
裏返すと確かに四角マークだった。
「マジか! なんで分かるんだ?」
「かけてみろよ」
ふぁん太は俺にサングラスを渡してきた。
なぜサングラス? もしかして・・。
俺はサングラスをかけてゼナーカードを見た。
「ああ! なんだそういうことか!」
ゼナーカードの裏側に蛍光色の青い光が四角の形を作っていた。他のカードも表と同じ蛍光色の形が書かれている。
「ルフはあまり詳しくないから知らないんだろうけどな、ついこの間テレビで透視をしていた自称超能力者が同じイカサマをして炎上したんだよな。このサングラスをかけると、ゼナーカードの裏に書かれた透明の塗料の色が見えるようになるんだよ。まあ、その超能力者はサングラスじゃなくてコンタクトレンズを使ってたらしいけど」
なるほど。ふぁん太はオカルト系のサイトの管理人だ。このトリックを知らないはずがない。
俺は月ヶ瀬を見た。
ふっふっふと彼女は食べ終えたアイスのカップを置くと、両手を勢いよく合わせて、ごめんねのポーズをとった。
「そういうこと!」
彼女は目からコンタクトを外して、ケースに入れた。
「このコンタクトレンズは最近発売された代物でね、いやあこんなにうまくいくとは思わなかった」
「俺のアイス返せよ!」
「もう食べちゃった」
「ったく」
「まあアイスくらいいいじゃないか。これが悪質なイカサマ師ならどれだけ搾取されてたか分かんねえぞ」と、ふぁん太。
「ルフくんのために新しいアイス買ってあげるからさ、そう怒んないでよ」
上機嫌でゼナーカードをしまう月ヶ瀬。と、俺はある疑問が芽生えた。
「そういえばなんで月ヶ瀬は俺んちの冷蔵庫にアイスがあること知ってたんだ? 教えた覚えはないが」
すると月ヶ瀬はどや顔で言う。
「それは私がエスパーだからだよ」
もういいってそれ。