『十角館の殺人』　感想

[あらすじ]

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の7人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生きて残るのは誰か？犯人は誰なのか？鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。

[ネタバレ感想]

　世界観をひっくり返す衝撃の一言とやらが知りたくて読みました。

　ミステリー好きだと孤島というとクローズドサークルを意識してしまって犯人にたどりつきにくいし、作品内に隠されている秘密に気づくのは難しいと思いました。

　自分は『十角館の殺人』がオマージュしている『そして誰もいなくなった』のトリックが頭がよぎり、唯一ポウしか死体を確認していないオルツゥが実は生きているのではというミスリードを意識してしまい事件の核心を見抜きにくくされてしまいました。

　作中の登場人物の名前が特有のあだ名で隠されている場合、確実にそれを利用したトリックがあると踏んでいて、唯一あだ名の分からないあの人が怪しいと踏んでましたが、まさかあの人と同一人物だったとは。

　いつもあと少しのところで真相にたどり着けそうで、してやられた気分です。

　衝撃の一言の煽り文の名は伊達ではなかった。