化石の夢

『殺戮にいたる病』感想

 

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 

[あらすじ]

東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるシリアルキラーが出現した。くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇、平凡な中流家庭の孕む病理を鮮烈無比に抉る問題作!衝撃のミステリが新装版として再降臨!

 

[ネタバレ感想]

 とても家族には勧められない内容の小説。

 エログロが激しくて読む人を選ぶだろう。

 「十角館の殺人」と同じく叙述トリックがすごいとの噂を聞き読んだ。

 思考を巡らせて蒲生稔が息子ではなく父親であることに気づくことができた。

 その分最後のカタルシスが得られず、次に叙述トリック小説を読むときは見破った優越に浸ることとカタルシスとどちらを取るか悩む。

 岡村孝子さんの曲が殺人のシーンで印象的に使用されているが、もし今同じことをしたら顰蹙をかいそうだ。